今回のテーマは『骨盤位の妊婦さんは説明がないと不安になる』という話です。
インスタグラムでこんな画像を投稿しました。
助産師をしている人はこれから先〇〇
これで骨盤位の妊婦さんの気持ちを想像できる人が増えたら嬉しいです。
骨盤位の妊婦さんは
説明がないと不安になる
これから先、助産師さんには何も起きません。いわゆる釣りサムネでした。僕がこんなことをした理由は『結論だけ言うと不安を煽る』と言うことを伝えたかったからです。
タイトルが大事な理由
【助産師をしている人はこれから先〇〇になる】と言うことだけ言われると、人間はどうなるの?どうして?と理由を知りたがります。
SNSでサムネイルが大切なのは、このなぜ?を感じさせてクリック率を上げるためです。
医療現場での説明の必要性
これは医療の現場でも同じです。
「あなたはがんです。経過観察のためまた来週」とだけ言われたらどう思いますか?
- どんながんなのか説明してよ!
- どうしたらいいのか説明してよ!
- 命に関わるの?手術が必要なの?教えてよ!
というようなことを思うはずです。これは僕もよく経験します。
歯医者では説明がない
僕が経験するのは特に歯医者です。
歯医者では自分の歯が見えないため、状況を知る方法は先生の説明だけです。ですが、しっかりと納得のできる説明を受けられたことは1度もありません。今回の虫歯はこんなもので、ここまで大きいから削る必要がある。今回歯がかけたのはこんな大きさだから、いつもの詰め物ではなく被せ物を作る必要がある。
なんて説明はありません。削ります。被せます。だけです。
みなさんもよく経験しているはずです。世の中にはしっかりと納得できるように説明する人はあまりいません。説明しようと思っても施術とは別に説明の技術が必要なのでとても難しいです。
このように説明がないとどれだけ不安になるかはわかっていただけたかと思います。これが今回のテーマである『骨盤位の妊婦さんは説明がないと不安になる』の核心になります。
逆子の妊婦さんは説明を受けられない
骨盤位の妊婦さんは不安を感じます。なぜなら、「逆子です。多分放っておいても自然に回転するから、また2週間後の健診で。」と言われて終わるからです。これがどれだけ妊婦さんに不安を与えるかは、ここまでの説明があれば想像できるかと思います。
妊婦さんは骨盤位が何かわかりません。回転するとどうなるのかも、回転しなければどうなってしまうのか、胎児に何か起きてしまうのか、それ以外も骨盤位に関わるもの全てが何もわかりません。なぜなら、誰からも説明を受けられないからです。
骨盤位は治らなくてもいいもの
出産に関わる医療従事者のほとんどは「骨盤位は治らなくてもいいもの」と思っています。これは僕も同意見です。また妊婦さんも同意見のことが多いです。それは帝王切開でも母子ともに安全に出産ができるからです。
ですが、説明を受けられない妊婦さんは「安全に産めるなら、、」と思うほど余裕はありません。なぜなら、それ以上にわからないと言う不安に苛まれてしまうからです。
逆子は母子の命に関わらない
産科の医療従事者は骨盤位という命の別状に関わらないものではなく、母子の命に関わるようなものをたくさん知っていて経験しています。この『逆子は母子の命に関わらない』のが骨盤位の妊婦さんが説明を受けられない理由です。
例えば、産科に来院する人で何か症状などがあり診断をできるような100人いたとします。その中には命に関わるものから、これから先何かが起きてしまう可能性があるもの、色々なものがあります。その中に骨盤位があっても「母子の命に関わるものでないから」と思います。
人は比較をして評価をする
人は比較をして評価をするものです。産科では命に関わることがとても多くあります。それに比べると逆子は出産ができるし、命に関わるものでもないという印象を与えてしまうのかなと思います。
僕は心理も勉強しているし、ビジネスも知っているため、逆子の説明をしないのを理解できます。また、他に体調が悪い妊婦さんが待合室で待っているのを待たせてまで説明をするべきか?というのも理解できます。
ビジネスで言えば、経膣分娩より帝王切開の方が儲かるという理由もあったりするみたいです。(詳しくはわかりませんが助産師さんの経験談を聞きました。)
逆子の説明はしなくていいわけではない
僕はこれらを否定したいわけではありません。逆子の説明をしなくていいわけではないということを知ってもらいたいだけです。
よく『妊婦さんに寄り添った〇〇』なんて言葉がありますが、本当の意味で寄り添うというのはその人に時間を使うことであり、その人がどう感じているのかを考える時間を設けてその人の気持ちをしっかりと考えることかなと思います。
妊婦さんは説明を求めています。その説明に応える気持ちがあり、納得のいく説明をできるような逆子の知識が広まり、それが逆子の妊婦さんに届いたら嬉しいです。
さいごに
今回のテーマは『骨盤位の妊婦さんは説明がないと不安になる』という話でした。骨盤位の妊婦さんがどんな不安を抱えているのか、そしてそれが誰にも理解されないことを知ってもらいたいという思いから情報を発信しています。
骨盤位の妊婦さんにも情報を発信していますが、治してほしいからではありません。誰も説明されない!と悩む妊婦さんに僕の知っている情報をお伝えできればなと思って発信しています。
骨盤位は妊娠中だけではなく、産後はもっと悩みます。
これはもっと理解されないことです。これは『人がどう後悔をするのか』を考えればわかります。
「終わったことじゃん」と思うのではなく寄り添う人が増えたらな!ということで逆子の資格を教会で発行しています。
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“逆子に悩む妊婦さんによりそう資格” Qualified by pregnant women sufferingfrom breech birth   ...
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産後に悩む理由は別の記事でお伝えします。