みなさんどーもこんにちは!さかごらぼの玉井です。

先日の勉強会で「治療の組み立て方」について質問をいただき、それについて以下のような質問もいただきました。

「治療の組み立て」という言葉を普段使わないのでどう答えていいかわからず想像で答えてしまったんですが、改めて治療の組み立てについて調べた上でお答えします。この質問は僕に大きな影響がありました。ご質問いただきありがとうございました。

 

治療の組み立て方とは?

治療計画の立て方?

治療の組み立てをGoogleで調べてもイマイチわかりませんでした。多くのページで「治療計画の立て方」のような使い回されていたので、そう言った意味合いが強いのかなと感じました。または、治療計画を立てる時の考え方の意味合いもあるかなと思いました。今回は僕が治療する際の治療計画の立て方とその考え方をお伝えします。

 

僕の治療の組み立て方

大きく4つの流れ

そう言った意味で言えば僕の治療の組み立て方はこんな感じです。勉強会でもこのような意味合いで答えましたが、詳しくお話しします。

  1. 原因の解明
  2. 患者さんへの原因と状態の説明
  3. 治療計画の相談
  4. 治療計画の決定

膝が痛い場合の治療の組み立て方

例えに、膝が痛いという患者さんの治療計画を立ててみます。

①原因の解明

まずは検査して原因を解明します。何よりも原因を解明することが大切だからです。どれだけ治療技術がある人でも、原因を明確にせずに見当違いのところを治療をしても治りません。
どのように膝が痛めたのか(機序)、どんな動作で痛いのか、その動作がどんな時にするのか。筋肉なのか関節なのか、神経なのか、どんなものにも原因や理由があります。

②患者さんへの原因と状態の説明

今お話ししたようにどんなものにも原因や理由があります。患者さんがうちに来院したのにも理由があります。多くの場合、理由は2つです。

  1. ひとつは痛いというストレスを改善したいことです。
  2. もうひとつはどうして痛いのかを知りたいということです。

人の最大のストレスはわからないことです。先日の勉強会でもお伝えしましたが、わからないからストレスを感じます。どうして膝が痛いのか、どうして膝が痛くなってしまったのか。患者さんはその説明を求めています。その欲求を満たす必要があります。そのための説明です。

③治療計画の相談

原因を解明した時点で、最適な治療はわかります。膝の痛みの原因が炎症なら炎症をよくすれば痛みは改善します。筋緊張が原因なら筋緊張を緩和すれば痛みは改善します。問題なのは手段です。この手段を相談します。

  • 鍼灸マッサージ、機械治療、その他の手技
  • 刺激量
  • 通院頻度

鍼灸マッサージ、機械治療、その他の手技などいろいろな手段があります。その中で最適な方法を提案します。鍼が苦手な人もいれば、鍼がいいという人もいます。また、刺激量なども同時に提案します。治るのが遅くてもいいから刺激は弱くしてほしいという人もいれば、通いたくないから強くても早く治してほしいという人もいます。そして、通院頻度です。週に1回通える人もいれば、毎日通える人もいます。そのようにその人の好みや生活に合わせて提案し、相談しながら治療計画を決定します。

 

治療の組み立て方で1番重要なこと

相手の状態を正確に把握すること

これが僕の治療の組み立て方です。組み立てる時に最も大事なことは“相手の状態を把握すること”です。

体調管理って何?

【体調管理】という言葉があります。体調管理はどんなことをするものか知っていますか?いい状態を保つこと?違います。なぜなら、いい状態を保ち続けるのは不可能だからです。東洋医学でもあるように常に変化し続けます。いつでも同じ状態は不可能です。僕が思う体調管理は“今どんな状態なのかを正確に把握すること”です。

自分が睡眠不足なことを自覚できてる?

自分が睡眠不足かわかりますか?多くの人は睡眠不足であることを自覚できていません。それは科学的に証明されています。自律神経が乱れているのも自覚できていません。

体調を把握できない人に治療はできない

体調を把握できない人に、体調を良くすることはできません。まずは把握することにレバレッジをかけるべきです。そして、相手の状態を把握するのに1番大切なのは“心理学”です。身体を触れば身体の状態はわかります。ですが、心は読めません。人の心は読めませんが、ある程度読み取ることはできます。それが心理学です。相手を知るために心理学が必要です。

眼を見れば自律神経の状態がわかる

具体的な例を出すと、僕は眼を見れば自律神経が乱れているかわかります。瞳孔と眼輪筋の動きをみます。それをいうと「そんなの当たり前でしょ。」という人もいると思います。それを感じることはできても、説明はできない人が多いと思います。僕はどうしてわかるのかを患者さんに説明できます。勉強すれば誰にでもわかるようになります。

感覚だけでなく言葉にする

僕が普段からこうお伝えしています。「科学を語れないのは勉強不足。事実を無視するのはナンセンス。」感じられる事実は大切です。ですが、それを患者さんに“言葉”で説明できなければ、患者さんはわからないままです。わからなければストレスを感じます。説明できるように勉強するべきです。

東洋医学の心身一如

ここまで科学をベースに説明しましたが、東洋医学でも同じはずです。東洋医学では“心身一如”という言葉がありますが、“心”を学ぶ鍼灸師は少ないです。体を診るには体の勉強を、心を診るには心の勉強が必要のはずです。心と体が一つで人なら、体しか見ていない人は“人”を診ることはできていません。

心と体は影響し合う

このように心と体は影響し合います。多くの場合は体だけをみていて、患者さんを見ていません。その場合、みているのは患者さんの“症状”であり、目の前にいる“患者さん”ではありません。そして、心を診れない人には正確に患者さんの状態を把握することはできません。

東洋医学の観点から言っても、西洋医学の科学から言っても、心理学はとても重要です。

12年間の心理学

僕は今年で30歳になるので18歳から約12年間心理学を独学で勉強してきました。どの分野よりも心理学の本を読みました。何十冊も読みました。それを基に体を診る科学と心を診る科学を基に治療しています。

 

僕のメソッド

相手の状態を正確に把握するメソッド

それを僕のメソッドとして、これからは日本逆子治療協会の活動としてお伝えしていこうと思いました。こう思えたのは質問をしていただけたからです。今回の勉強会は僕にとってとてもいい経験になりました。余裕がある時にと思っていましたが、定期的にやりたいと思います!

 

 

 

逆子治療で参考にした〇〇式メソッド

〇〇式/メソッドはありません。

僕は誰かのメソッドを参考にしたことがありません。なので、僕の考え方に近いものがあるか調べてみました。

色々な〇〇式鍼灸/メソッド

7つの〇〇式鍼灸/メソッド

調べたものは以下のものです。

  1. 長野式
  2. YNSA(山元式新頭鍼療法)
  3. 土屋式鍼治療
  4. JSメソッド
  5. バランスメソッド
  6. ABCメソッド
  7. 粟木原式ベビくるメソッド

1番近いのは長野式?

僕が治療する根底にある考え方は、長野式が1番近いと思います。ですが、少し違います。

Googleに出てきた〇〇式

恥ずかしながら勉強不足で、僕は昔からある〇〇式の治療法をほとんど知りません。Googleで「〇〇式 鍼灸」と調べても出てきませんでした。「鍼灸 メソッド」は多く出てきました。その理由はSEOです。メソッドはSEO対策をしているHPに載っていることが多いから検索して簡単に出てきます。つまり、最近の人が作ったものが多いということです。

昔の〇〇式やメソッドはSEOが弱い

昔の人が築いた〇〇式はネットで広めようとされていないのか、SEOが弱く検索しても出てきません。唯一上記にヒットしたのが長野式でした。ちなみに、この中で土屋式鍼治療は論文に載っているものでした。

そもそも〇〇式とは?メソッドとは?

色々なものを見てみて〇〇式やメソッドは2つに分かれていることがわかりました。

  • 考え方
  • やり方(型)

考え方とやり方

考え方はこんなふうに考えて治療するべきと提唱しているものです。やり方はこんなふうに施術するべきと提唱しているものです。つまり“型”です。特にひとつの症状だけに特化しているものもありました。

ここまで調べて、じゃあ僕の考え方ややり方に合う〇〇式やメソッドがあるかというと数が多すぎてわかりません。僕なりの考え方をお伝えします。

玉井式メソッド(仮)

心と体のバランスが最も大切

玉井式メソッドを作るなら、その根本は心と体のバランスです。「ちょー当たり前じゃん!」と思う方がほとんどだと思います。では、心とは何ですか?答えられない方がほとんどだと思います。東洋医学では“心身一如”という言葉があるようですが、心を学ぶ鍼灸師は少ないです。どれだけ心理学が重要かを知っていながら、知った気になり勉強しない鍼灸師は多いと思います。心と体のバランスを保つには、体だけではなく人の心を知ることです。

心理学は人を知る学問

僕は18歳で鍼灸師になることを決めました。その時にこう考えました。“人を治療するなら、まずは人がどんなものかを知るべき”。今思えばどうしてそう思ったのかわかりませんが、当時は人を知るなら体より心の方だと思ったようです。ですが、それは正しかったと今なら思えます。

心の勉強が足りなければ“人”を診ることはできない。

体を診るには体の勉強を、心を診るには心の勉強が必要のはずです。心と体が一つで“人”なら、体しか見ていない人は“人”を診ることはできていません。実は心理学でも“心は体に影響を及ぼすし、体も心に影響を及ぼす”とされています。

有名な心理実験

ある実験があります。1つの部屋にAさんとBさん2人います。Aさんにわざと怒った表情をしてもらいます。Bさんには、Aさんがわざと怒った表情をしていると知らせています。その部屋で2人きりで過ごしてもらった結果、どちらもイライラしてきたのです。そのように体は心に影響を及ぼします。また、心(感情)が体に影響し、心が他の心にも影響することがわかります。

これは僕が最も尊敬する心理学者の1人、ポール・エクマンの実験です。

心と体は影響し合う

このように東洋医学の考え方でも西洋医学の科学でも心と体は影響し合います。ですが、多くの場合は体だけをみていて心を見ていません。その場合、みているのは患者さんの“症状だけ”であり、目の前にいる“患者さん”ではありません。

エビデンスは大切だけどそれが全てではない

現代では科学が重要視されていて、どうしたら膝の痛みが改善するのか?その治療方法にエビデンスがあるか?ばかりが目立ちます。もちろんそれも重要です。ですが、それだけではなく目に見えない心の動きも知るべきです。来院したのも、痛めたのも、どのように訴えるかも、そのように言動がある前には必ず感情(心)があります。感情が人を動かします。感情が動いて体が動きその結果怪我をするのだとしたら、本当の原因は心にあるとも考えられます。

科学を語れないのは勉強不足

他の記事でもお伝えしていますが、僕はこう考えています。“科学を語れないのは勉強不足、事実を無視するのはナンセンス”。今までの経験から感じることも大切です。繊細な方なら勉強せずとも相手の心と触れ合えるという人もいると思います。ですが、触れ合えてもそれが何を意味していて相手の体がどうゆう状態なのかを説明できないはずです。説明できないのは勉強不足です。

感覚を無視するのはナンセンス

感覚を無視するのはナンセンスです。“感じている”ならその感覚は大切にするべきです。ですが、感じることが正しいかは精査するべきです。感覚だけで治療することもできますが、相手に説明することはできません。説明がなければ患者さんは不安に感じます。

心を診る科学

今年で30歳になるので約12年間心理学を独学で勉強してきました。どの分野よりも心理学の本を読みました。何十冊も読みました。それを基に体を診る科学と心を診る科学を基に治療しています。当たり前ですけどね!

当たり前を当たり前のように行う難しさ。

ですが、みんなが「当たり前でしょ!」と思うことを当たり前のように行う難しさは計り知れません。どんな世界でも、当たり前を当たり前にできる人が一流です。僕はそれを目指したいです。

玉井式メソッド(仮)

こんなのが治療の根本にあります。逆子治療もこれを基に、どうすれば逆子の妊婦さんのQOLが向上するかを考えながらしています。次はもっと具体的なものや、心理学がどう治療に活きるのかをお伝えできればと思います。

これからは日本逆子治療協会の活動としてお伝えしていこうと思いました。こう思えたのは質問をしていただけたからです。勉強会は僕にとってとても有意義でした。余裕がある時にと思っていましたが、想像以上に刺激的だったので定期的にやりたいと思います。楽しすぎました。玉井式メソッドは語呂が悪いですね、、それはまた考えますね(笑)。